なんとなく選んだはずが…確定申告ビギナーにやさしい理由
私は2019年、初めて個人事業主として開業届を出しました。とはいえ「確定申告」についてはまったくの初心者。帳簿ってなに？税務署行くの？青色申告って聞いたことあるけど、どれくらい面倒なの？そんなレベルでした。
そんなとき、Googleで「確定申告 ソフト」と検索して、上位に出てきたのが「マネーフォワード クラウド確定申告」。正直、深く比較したわけではありません。「クラウド型でスマホでも使える」「自動で仕訳してくれるらしい」「とにかく初心者にやさしそう」──このあたりの印象で、なんとなく選んだというのが本音です。
でも結果的に、これが当たりでした。思っていたよりシンプルで、画面もわかりやすくて、変なストレスがない。帳簿づけってもっと苦行だと思ってたんですが、「あ、これならなんとかなるかも」と感じたのを今でも覚えています。
この記事では、そんな「なんとなく選んで当たりだった」私の体験をもとに、マネーフォワード クラウド確定申告の使い勝手や注意点を本音でレビューしていきます。
マネーフォワード クラウド確定申告ってどんなソフト？
「マネーフォワード クラウド確定申告」は、パソコンやスマホから使えるクラウド型の会計ソフトです。インストールは不要で、Webブラウザかアプリがあればすぐに使い始めることができます。
特徴的なのは、銀行口座やクレジットカード、電子マネーのデータを自動で取り込んでくれる点。たとえば、事業用に使っている口座やカードを連携しておけば、利用履歴が自動で反映され、仕訳（帳簿上の記録）まで自動で行ってくれます。
主な機能は以下の通りです：
- 銀行・クレジットカード・電子マネーの自動連携
- 自動仕訳機能（AIによる勘定科目の自動推測）
- レシートの読み取り（スマホカメラでOK）
- 確定申告書類の自動作成
- e-Tax（電子申告）への対応
- 青色申告特別控除（65万円）対応
料金プランは月額プランと年額プランがあり、無料プランもあります。ただし無料プランではOCRからの自動仕訳、消費税申告書の作成や、登録取引先数が制限されるため、私は年額15,360円（税込）の「パーソナルプラン」を契約しています。無料でスタートし、使い方に合わせてプランをアップグレードしていく使い方がオススメ。
クラウド型なので、パソコンとスマホの両方から同じデータを扱えるのも便利です。私の場合は、月に1回売上の〆、各種経費の記帳を行ってます。
「よくわからないけど、とにかく確定申告をちゃんと終えたい」という人にとって、過不足なく機能がそろっているソフトだと思います。
無料の確定申告自動化ソフト マネーフォワード クラウド確定申告
実際に使ってみた感想【良かったところ】
実際にマネーフォワード クラウド確定申告を使ってみて、「これは助かる！」と感じたポイントはいくつもありました。初心者の私でも無理なく使えた理由を、ここでまとめてみます。
1. レシートをスマホで撮るだけの手軽さ
経費の入力って面倒くさいイメージでしたが、マネーフォワードはレシートをスマホで撮影すれば、金額・日付・店名を自動で読み取ってくれます。もちろん完璧ではないですが、最初は手打ちより断然ラクです。
電子帳簿保存法の兼ね合いもあり、経費はこれ経由で登録したほうがいいかもしれません。
2. 自動仕訳が意外と賢い
銀行やクレカを連携しておけば、利用履歴が自動で記録されて「交通費」「通信費」などに分類してくれます。間違っていることもあるので最終チェックは必要ですが、ゼロから手入力するより何倍も時短になります。
ただ、一部銀行は自動連携対象外のため、銀行の入出金は自動連携できないことがありますので、事前にチェックが必要。
クレカは事業用で作って連携していますが、スマホ、ネットなどの通信費、adobe（消耗品費）あたりはバッチリ自動仕訳されます。タクシーやホテルなどの旅費交通費は調整が必要なことが多いです。
3. 月ごとに入力しておけば、確定申告直前に慌てない
毎月少しずつ記帳しておけば、2月になって「あれもこれもやってない！」と焦ることがありません。アラートは出ませんが、ホーム画面に月別の進捗が出るのでペース配分もしやすいです。
私の場合は毎月1時間程度、下記作業を行い、確定申告時も1,2時間あれば終わる感じです。
- 各種経費の自動連携チェック
- 現金払いの経費手動入力
- 売上計上→クラウド請求書の機能
- 自動連携されない銀行の入出金記帳
4. 電子申告までアプリで完結できたのが最高
私はマイナンバーカードを使ってe-Taxで提出しましたが、その流れもマネーフォワード内で完結できました。外に出る必要もなく、印刷も不要。これだけでも、ソフトを使った価値があると感じました。
5. 全体的にUIがわかりやすい
初心者だからこそ、「どこに何を入力すればいいのか」が直感的にわかるのはありがたかったです。色分けや説明文も適度にあって、いかにも“会計ソフト”っぽい難しさを感じませんでした。
こうして振り返ると、「なんとなく」で選んだにしては、本当によくできていたなと感じます。とくに初年度の確定申告は不安だらけでしたが、このソフトがあったおかげで、ひとつずつ乗り越えることができました。
6. 請求書発行、メール送付、実現
なんといってもこれ！請求書の雛形を作っておけば、取引先ごとに金額を入力し、サクッと請求書がつくれちゃいます。さらにメールもワンクリックで送付。その後は自動仕訳機能を使って、請求書を売上と売掛で記帳してくれます。
請求書から領収書への変換もワンクリック。
そして請求書の支払期日をベースに入金予定の仕訳も作成してくれます。
これは記帳されず、入金確認時に「実現」ボタンを押すと記帳されるというスグレモノ。ちょっとイメージしにくいですが、実際に使ってみるとその有用性に気づきます。
ここがちょっと困った・注意点まとめ
使い勝手がよかったマネーフォワード クラウド確定申告ですが、「ここは注意したほうがいいな」と思った点もいくつかあります。メリットばかりではなく、実際に使って気づいた“つまずきポイント”を正直に書いておきます。
1. 勘定科目が最初はよくわからない
「事業主貸」と「事業主借」の違い、「地代家賃」に入れていい支出って？最初はこうした勘定科目のルールがまったくわからず、何度も検索するはめになりました。自動仕訳も万能ではないので、ある程度は自分で知識をつける必要があります。
2. 自動仕訳は完璧じゃない
AIが提案する仕訳が間違っているケースもありました。たとえば、仕事用のAmazon購入を「消耗品費」ではなく「接待交際費」として分類していたり。これは仕方ない部分もあるのですが、チェックと修正が必要です。
3. スマホだけだと作業の抜け漏れが出やすい
スマホアプリは便利ですが、やっぱり画面が小さい分、操作ミスや見落としが出がちです。今では操作に慣れたため、大量にレシートがあるときはPCから手動仕訳したほうが早いです。
4. 年に数回アクセス出来ない日があった
SaaSなので仕方ないですが、年に数回繋がらない日がありました。
おそらくどのサービスにもついて回る問題なので、期日に追われない会計を心がけるしかないです。
参考までに私は日商簿記3級レベルです。
同レベルの方であれば、どの会計ソフトを選んでも同じようなところでハードルを感じるんじゃないでしょうか。
私の確定申告体験：提出までにやったこと全部
ここでは、実際にマネーフォワード クラウド確定申告を使って、私がどんな流れで確定申告を終えたのかを、時系列で紹介します。「これからやる人」がイメージしやすいように、具体的なステップでまとめました。
1. 開業届を提出
税務署に行って開業届と青色申告承認申請書を提出。これは紙でもネット（e-Tax）でもOKですが、私は紙で出しました。
今後必要な手続きや、税についても教えてくれるので、初めて開業する方は、お近くの税務署に足を運ぶことをオススメします。
2. 銀行・クレジットカードをマネーフォワードに連携
事業用に使っている銀行口座とクレジットカードをアカウントに登録。1回登録しておけば、明細は毎日自動で取得されます。
登録できない銀行もあるので、事前に確認しましょう。
私の銀行も登録できませんが、事業の収益以外は確定申告に関係ないので、それほど不便は感じていません。
3. レシートをスマホでこまめに登録
日々の経費はスマホで撮影し、その場で仕訳。1枚ずつでもアプリから簡単に登録できるので、意外と続けやすかったです。慣れてきたら手動入力もおすすめ。証跡は残しましょう。
4. 月末にパソコンで仕訳チェック＆修正
AIによる自動仕訳は便利ですが、間違いもあるため、月末にまとめて確認と修正をしました。ここで帳簿も完成していきます。
5. 確定申告書類を自動作成
「申告書作成」メニューから数ステップで申告書が完成。必要な情報はすでに自動で入力されていたので、確認して6に進みます。
6. 必要書類をまとめて確認
源泉徴収票、支払調書、医療費の領収書など、確定申告に必要な書類を集めて入力しました。
iDeCoやふるさと納税、事業外の給与所得、寄付等がある場合はここで入力します。
7. e-Taxで提出
マイナンバーカードを使って電子申告。マネーフォワードの指示に従えば数分で完了しました。書類の印刷や郵送は一切不要です。
パソコンで完結させることも出来ますが、カードリーダーが必要なため、スマホにアプリをいれて、スマホでマイナンバーカードを読み取るのがスマートでした。
8. 納税もオンラインで完結
税金の支払いも、ネットバンキングやクレジットカードで対応可能。自宅にいながらすべてが完了したことに驚きました。
確定申告というと「大変そう」「ややこしい」というイメージがありましたが、マネーフォワードを使ったおかげで、かなりスムーズに終えることができました。とくに初年度としては、かなり満足のいく体験だったと思います。
無料の確定申告自動化ソフト マネーフォワード クラウド確定申告
こんな人には向いてると思う
私自身が使ってみて、「これはあの人にも合いそうだな」と感じたタイプをいくつか挙げてみます。マネーフォワード クラウド確定申告は、特に以下のような人におすすめです。
1. 確定申告が「なんとなく不安」な初心者
「帳簿って何？」「青色申告って難しい？」といった不安を抱えている人には、画面がシンプルで迷わないこのソフトが向いています。質問しながら手を動かしていくうちに、自然と流れがつかめてきます。
2. 自分の手でやりたいけど、手間は減らしたい人
全部税理士に丸投げするほどでもないけど、手作業で帳簿をつけるのはしんどい…という人にはぴったり。自動連携や仕訳補助があるだけで、負担がかなり減ります。経費を事業用カードに集約できれば、毎月の経費計上は自動連携のみで完結させることもできるかもしれません。
3. 青色申告にチャレンジしたい人
65万円控除を受けるために青色申告を考えているけど、手順がよくわからない人にもおすすめ。マネーフォワードは青色申告書類の作成にも完全対応していて、初心者にもわかりやすい導線があります。
4. スマホで完結させたいフリーランスや副業ワーカー
パソコンを持っていない、または開く時間がない人でも、スマホアプリだけでかなりの作業が進みます。レシート撮影から申告準備までスマホで完結できるのは本当に便利です。
無料の確定申告自動化ソフト マネーフォワード クラウド確定申告
まとめ｜“なんとなく”でも選んでよかったと思えた
最初は「とりあえず必要そうだから」で始めたマネーフォワード クラウド確定申告でしたが、今では「これで正解だった」と胸を張って言えます。
帳簿も税金もまったくの初心者だった私が、確定申告という大仕事をなんとか乗り越えられたのは、機能がしっかりしていて、初心者への配慮も感じられるこのソフトのおかげです。
とくにありがたかったのは
- 日々の記帳が圧倒的にラクになったこと
- 仕訳の補助があるので、なんとなく理解しながら進められたこと
- e-Tax対応で提出まで自宅で完結したこと
- 請求書発行と自動仕訳
- チャットサポート（有人）
もちろん、最初は戸惑うこともありましたし、完璧ではありません。でも、「確定申告ってやってみればなんとかなるんだ」と思わせてくれた経験は、今後も個人事業主として活動していくうえで大きな自信になりました。
操作的にわからないときはチャットサポートで教えてくれます。これホントに助かりました。
税制的にわからない場合は、管轄の税務署に電話すると親切に教えてくれます。
税理士さんへの相談リンクもあるので、スモールスタートしてみたい方は無料版で試し、使えそうならプラン変更。どうしても難しければ税理士さんに相談してみるというのもいいかもしれません。
